糖尿病ってどんな病気?
全体の90%以上を占める2型糖尿病は、膵臓からホルモン(インスリン)分泌低下、あるいは筋肉での抵抗性(効きが悪くなる)病態です。
永らく飢えとの闘いが続いていたので、人間には血糖を上げることで生命維持をしてきましたが、昨今の飽食・運動不足・ストレス・肥満・感染症などによりその数は増加しています。
最近では膵臓疲弊ではなく、膵臓保護の薬剤も出現し、疾患概念も変わってきています。
自分には関係ないと考えている方もいるかと思いますが、糖尿病一歩前の状態である「糖尿病予備軍」はかなり多くいるといわれています。
最近では大人だけでなく、子供にも増えてきております。その原因として、生活習慣の悪化が考えられます。
糖尿病は一度なってしまうと治りませんが、「糖尿病予備軍」の段階ならまだ間に合います。
これを機会に、生活習慣を見直しましょう。
糖尿病の初期症状は、痛みなどの自覚症状がないため、治療が必要といわれたことがあっても、そのまま治療を受けない人が多いです。
以下の症状がある場合には、一度医師による診察をおすすめします。
✔ のどの渇き
✔ 尿の量、回数が多い
✔ 体重が急激に減る(食べているのに痩せる)
✔ 全身がだるく、疲れやすい
✔ 目がかすむ(視力障害)
✔ 尿に糖が出る(尿糖)
✔ 尿の泡立ちがなかなか消えない
✔ 立ちくらみ
✔ 手足のしびれ
✔ 手足の冷え
✔ インポテンツ
✔ 月経異常
糖尿病での一番の問題は合併症です。
合併症にならないためにも、糖尿病の症状があらわれた場合、しっかりと治療に取り組みましょう。
口渇・多尿などの臨床症状の確認や健診で指摘された場合の対処、家族歴・合併症の有無・治療中断した場合の前医のアプローチを行います。
食事運動療法で経過観察するか、直ちに治療開始するかの判断。インスリン&GLP-1注射の導入、血糖自己測定の指導低血糖時の対処、sickday時の対応、眼科・循環器科などの連携医療機関への紹介を行います。
患者さんに食事指導するときは、「甘いものはなるべく良くない」、「こういうものはダメ」という言い方になりがちです。しかし当院では、最初に患者さんに話すときは、食事の大切さというものを伝える前に、患者さんに「糖尿病になって困っていることは何ですか」「気になることは何でしょうか」と伺うことを心掛けています。
現在は、毎週一回で済むGLP-1注射(トリルシティアテオス・オゼンピック)も開発され、利便性から高い評価が得られています。
トリルシティアテオス (大日本住友株式会社):https://ds-pharma.jp/product/trulicity/
オゼンピック (ノボ・ノルディスクファーマ):https://medicalcampus.jp/di/archives/3425
インスリン&GLP-1注射患者さんで、血糖自己測定(7回採血)では、評価できないような血糖持続測定(288回測定:CGM外来紹介)を推奨しています。
これにより血糖値の上昇・下降の見える化が可能になり、患者さんにも治療に参加してもらうことができます。浜松医大臨床検査部の釣谷助教に依頼しています。
また、動脈硬化判定の為、頸動脈エコーやCAVIを組み合わせることで、早期診断・早期紹介が上手くいっています。
一方、糖尿患者さんの虚血性心臓病は、症状として表れにくいため、24時間心電図により、心筋虚血が判明したことがありました。
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